CentOS8にログインしてみる

前回はサーバのインストールが終わったので、今回はログインをしてみます。

また、サーバの設定を変更するためには必須のroot権限への昇格も行います。

この記事で行うこと

  1. CentOS8にログインする
  2. rootに昇格する

1. CentOS8にログインする

前回の記事では「localhost login:」という画面で終わっていたかと思います。

この画面に前回インストールしたときに作成したユーザの「ユーザ名」を入れてEnterを押してください。

すると、「Password:」という表示になるので、今度はユーザの「パスワード」を入れてEnterを押してください。

※パスワード入力時はキーを押しても「●」や「*」が表示されたりカーソルが動くことはありません。カーソルが動かなくてもキー入力は受け付けていますので、構わずパスワードを入力してください。

すると以下の表示になるかと思います。

[ユーザ名@localhost ~]$

これでログイン完了です。

後はここにコマンドを入力していくことでサーバを操作することができます。

2. rootに昇格する

今ログインしているのはあなたが作成したユーザです。

Linuxにはrootという何でもできるユーザが必ず存在します。

rootは何でもできる危険なユーザですが、サーバの設定変更などを行う際にはrootである必要があります。

ということで、rootにログインしてみましょう。

以下のコマンドを入力してみてください

su -
  • su : ユーザを切り替えるコマンド。引数でユーザ名を入れるとそのユーザに切り替わる。引数が無い場合はrootに切り替わる。(Substitute Userの略)
  • – : 環境変数などを再設定する為のオプション。(操作履歴などが変更先のユーザのものになる)

すると、先程のログイン時と同様にパスワードを求められます。

今度入力するのは前回設定した「rootパスワード」です。

パスワードを入力すると以下の表示が現れます。

[root@localhost ~]#

ユーザ名が「root」になっていることは分かりやすいと思いますが、一番右の記号が$から#に変わっています。

この記号はログインしているユーザの種類を表していて、$は一般ユーザ、#はrootユーザを指しています。

ネットで調べたときに出てくるコマンドでは多くはこの記号から書かれています。

なので、この記号からどちらのユーザで実行すべきか判断してください。

実際に入力する時にはこの記号を入れる必要はありませんので、注意してくださいね。

まとめ

今回はインストールしたCentOS8にログインして、rootに昇格する方法を扱いました。

ここまででひとまずインストールは一段落です。

ここからは必要に応じてコマンドを入力して操作していくこととなります。

ネットで調べてコマンドを入力することもあるかと思いますが、この時注意点が一つ。

CentOSはRedHat系のOSとなります。このためDebian系といわれるUbuntuなどのコマンドとは互換性がありません。

CentOS、RHEL、Fedora向けと書かれているコマンドであれば大抵は通りますので、調べるときには気をつけてください。

USBメモリでCentOS8をインストール – 実際にインストールする

前回の記事でCentOS8をインストールするためのブータブルUSBを作成しました。

この記事では作成したUSBを使ってCentOS8をインストールします。

この記事で行うこと

  1. CentOS8をインストールするPCを準備する
  2. BIOSを起動してUSBメモリをブートする
  3. インストーラの指示に従ってCentOS8をインストールする

1. CentOS8をインストールするPCを準備する

CentOS8をインストールしたいPCを以下のものだけが刺さっている状態にしてください。

  • 電源
  • ディスプレイ
  • マウス
  • キーボード
  • LANケーブル
  • ブータブルUSB(前回作成したものです)

LANケーブルは無くても大丈夫です。

この記事の内容を終えると、ディスプレイ・マウス・キーボードも抜くことができて、普段は電源ケーブルとLANケーブルだけが刺さる状態になります。

2. BIOSを起動してUSBメモリをブートする。

OSの入っていないまっさらなPCであれば、何もせずともBIOS画面が起動するかと思います。

もともと別の用途に使っていたなどでOSが入っているPCの場合は電源ボタンを押してからすぐに「F2」キーと「Del」キーを連打することでBIOS画面に入れます。

ただし、以下の場合はBIOSに入れません。

  • Windowsの高速スタートアップが有効になっている
  • BIOSに入るためのキーが違う

高速スタートアップはWindows7以降だと大体ONになっている設定で、起動時に行う処理をすっ飛ばすことで起動を速くする機能です。

「高速スタートアップ 無効」といった検索ワードで検索すれば情報が見つかると思うので、そちらを元に無効化してください。

高速スタートアップが無効になっているにも関わらずBIOSに入れない場合は、BIOSに入るためのキーが違う可能性があります。

PCを起動したときに一瞬だけ白文字で「Press ○○ to ~」といった文面が表示されるはずなので、そこに書かれているボタンを連打することで入れるかと思います。

そんな文字は見当たらなかったという場合は「(PCの名前) BIOS 起動」で検索すればそれぞれのBIOSの起動方法が出てくるはずです。(自作の方は「(マザーボードの名称) BIOS 起動」で出てくると思います)

BIOSが起動したら、ExitのようにBIOSを終了するメニューがある辺りにブートするドライブを選べる項目があると思います。

私のPCのBIOS画面です。Save&Exitというタブに起動ドライブを選べる項目があります。
私のPCのBIOS画面です。Save&Exitというタブに起動ドライブを選べる項目があります。

ここで、今回作成したブータブルUSBを選んでください。

3. インストーラの指示に従ってCentOS8をインストールする

起動すると真っ暗な画面に白いテキストが映った画面となります。

ブータブルUSBで何をするかの選択画面
ブータブルUSBで何をするかの選択画面

USBに問題が無いか確認するためにも「Test this media & install CentOS Linux 8」を選ぶことをオススメします。

もしここで問題があった場合は、もう一度前回の記事の内容をやり直してみるか、DDイメージで書き込んでみるか、別のブータブルUSB作成ツールを使ってみてください。

しばらくするとインストーラが起動します。

まずは言語を選びましょう。

インストーラの初期画面。日本語を選びます。
インストーラの初期画面で日本語を選びます。

すると、インストールの設定の一覧が表示されます。

今回は、以下の部分の設定をします。

インストール設定の一覧の画面
インストール設定の一覧の画面
  • ソフトウェアの選択
  • インストール先
  • ネットワークとホスト名
  • 時刻と日付

もし、初期画面で日本語ではなく英語を選んでいた場合は、キーボードと言語サポートも設定しておきましょう。(今回は割愛します)

まずは「ソフトウェアの選択」です。

どういったソフトウェアを入れるか選択する画面。
どういったソフトウェアを入れるか選択する画面。今回はGUI無しのサーバを選択

今回は「サーバー」を選択します。(GUI使用ではない方です)

重い、自動化しづらいなど様々な理由からLinuxでのサーバ運用ではGUIは使わないことが多いです。

なので、情報を探してもCUIを使った場合の情報の方が多かったりします。(これもまたGUIが使われない理由の一つですね)

このためGUIを入れたところで無用の長物になりかねないので、最初からGUIは省いてしまおうという訳です。

次に「インストール先」です。

インストール先デバイスの選択画面
インストール先デバイスの選択画面。基本的には自動構成で。

空いているHDDやSSDがあればそこを選択して自動構成で良いかと思います。

そういったストレージが無く、もともとあったパーティションを消してインストールしたいということであれば、カスタムを選択すればそういった設定も可能です。ただ誤ってデータを消してしまう可能性もあるのでオススメしません。

次は「ネットワークとホスト名」です。

ここではネットワークに接続をします。

有線LANを繋いでいる場合はEthernetをクリックして右側のスイッチのようなボタンをオンにすればOKです。

無線LANの場合は、無線LANをクリックしてから繋ぎたいアクセスポイントを選びパスワードを入れる流れになります。

もし、ステルスSSIDと繋ぎたい場合はこの画面では設定できません。インストール後に設定することになります。CentOS7での記事ですが、こちらを参考にしてください。

最後に「日付と時刻」です。

写真を撮りそびれてしまったのですが、世界地図が表示されるはずです。

世界地図の日本をクリックすると東京のタイムゾーンに設定されます。

全ての設定が終わったら「インストールの開始」をクリックしてください。

全設定完了後のメニュー画面
全設定完了後のメニュー画面。あとはインストールするだけ。
「ソフトウェアの選択」が「最小限のインストール」になってしまっていますが、これはミスです。正しくは「サーバー」です。

「インストールの開始」をクリックするとインストールの進行状況を表すバーと共に、「rootパスワード」「ユーザの作成」というボタンが現れます。

どちらもセキュリティ上必須なので、必ず設定してください。

まず「rootパスワード」

rootパスワード設定画面
rootパスワード設定画面。必ずパスワードを付けておきましょう。

rootというのはサーバ内で何でもできる人です。

これが設定されていないと、このサーバに接続できる人は誰でもrootになれてしまいます。

つまり、誰でも好き放題サーバのデータを消したりウィルスを仕込んだり出来るようになるわけです。

最終的には設定でユーザとしてログインできない人はrootになれないようにするのですが、それにしてもユーザとしてログインできた時点で好き放題できるのは危険です。

なので、ちゃんとパスワードを付けておきましょう。

次に「ユーザの作成」

ユーザ作成画面
ユーザ作成画面。私は気分でちゃんとフルネームを書いてみましたが、ユーザ名と同一で問題ありません。

これは、あなたがこのサーバにアクセスする際に使うIDとパスワードを作るということです。

rootというアカウントが既に存在していますが、このアカウントは前述の通り何でもできてしまう危険なアカウントです。

また、rootはどのサーバでもrootという名前で固定なのでパスワードさえ割り出せればアクセスできることになってしまいます。

このため、最初は必ずユーザアカウントでアクセスしてそれからrootになるという方法がとられます。

「ユーザ名」が実際にログインに使われるIDで、「パスワード」がログイン時のパスワードです。

フルネームはそのユーザを識別するための物なので、「ユーザ名」と同じで問題ありません。

ここで「ユーザを管理者にする」にチェックを付けておかないと、このユーザからrootになれなくなるのでチェックを付けるようにしてください。

しばらく待つと右下に再起動を促す表示が出てきます。

インストール完了画面。
インストール完了画面。再起動をクリックします。

このボタンを押して再起動をすると真っ暗な画面にCentOSのバージョンと「localhost login:」という文字だけが表示された画面になります。

ログイン画面。
ログイン画面。ここからログインします。

この画面が表示されたらインストール完了です。

まとめ

今回は実際にCentOS8をインストールしました。

今更ですが、インストール時に「ソフトウェアの選択」で「サーバー」を選んだことからも分かるとおり、本ブログではCentOSをサーバとしてCUIで使うことを想定しています。

次回は他のPC(Windows)からこのサーバにアクセスする方法を取り扱いたいと思います。

USBメモリでCentOS8をインストール – インストール用USBの作成

更新が途絶えてしまい、気づけばCentOSも8になってしまいました。

ということで心機一転、今度こそ続けるという意思と共に改めてCentOS8をインストールしてみたいと思います。

以前に書いた「USBメモリでCentOS7をインストール – USBにインストーラを入れる」と同様にまずUSBメモリにインストーラを入れたいと思います。

この記事で行うこと

  1. CentOS8をダウンロード
  2. Rufus(後述)をダウンロード
  3. Rufusを使ってCentOS8インストール用のUSBメモリを作成

1. CentOS8をダウンロード

以前のCentOS7の配布サイトと同じ、以下のサイトからダウンロードできます。
https://www.centos.org/download/

CentOS8の配布サイト画面
CentOS8の配布サイト画面

CentOS7の頃とは違い、リンクが2つになっています。

「 CentOS Linux DVD ISO 」が正式なCentOS8で、

「 CentOS Stream DVD ISO 」はいわゆるベータ版という理解で良いと思います。

今回は 「 CentOS Linux DVD ISO 」 をインストールしたいと思います。

アイコンをクリックすると、リンクの一覧が表示されます。

CentOS8ダウンロードリンク画面
CentOS8ダウンロードリンク画面

CentOS7同様にCentOS8もミラーサイトからダウンロードする形です。

そもそもフリーソフトウェアではこのようにミラーサイトからダウンロードさせるものが多いですね。

どこからダウンロードしても良いですが、「 Other mirrors further away: 」より上にあるリンクが日本近辺のものなので、こちらのリンクをオススメします。

2. Rufusをダウンロード

RufusはブータブルUSB作成ツールなどと言われるものです。

先ほどダウンロードしてきたISOファイルはDVDに入れる為のファイルとなります。

そのため、これをそのままUSBメモリに入れてもOSをインストールできるようにはなりません。

OSをインストールすることが可能なUSB(ブータブルUSBと言います)を作成するのが、ブータブルUSB作成ツールとなります。

今回はRufusというツールを使いたいと思います。

他にもUNetbootinなど同様のツールはありますので興味のある方は調べてみてください。

以下のサイトからダウンロードできます。
https://rufus.ie/ja_JP.html

Portableと記載されているものとされていないものがあるかと思いますが、私が確認した限り違いはなく、両方ともインストール不要でしたでした。好きな方を使ってください。

3. Rufusを使ってCentOS8インストール用のUSBメモリを作成

Rufusを起動すると設定画面が表示されます。

Rufus初期画面
Rufus初期画面

まず、ブータブルUSBにするデバイス(USBメモリ)を選んでください。

ブータブルUSBにするともともと入っていたデータは全て削除されますので、注意してください。

次に、「ブートの種類」の右にある選択ボタンをクリックして、先ほどダウンロードしたCentOS8を選択してください。

最後に一番下にあるスタートボタンをクリックします。

他のステータスは基本的にいじる必要はありません。

警告画面(最新のブートローダがない場合)
警告画面(最新のブートローダがない場合)

インストールを開始すると上記の警告画面が表示される場合があります。

これは、OSで使われるブートローダ(OSを起動するためのプログラム)がRufusが持っているブートローダよりも新しい時に表示されます。

ここは「はい」をクリックしてOSで使われているブートローダをダウンロードしましょう。

※Rufusのバージョンがより新しくなると表示されなくなる……はずです

選択画面(ISOかDDか)
選択画面(ISOかDDか)

ハイブリッドISO形式ではブータブルUSB作成ツール無しでもLinuxから簡単にブータブルUSBを作成することができます。こうして作られるのがDDイメージです。

しかし、DDイメージで書き込んだ場合はUSBの中身にアクセスすることができなくなります。この場合、CentOS8を起動するだけのUSBとなります。

それで困ることもあまり無さそうですが、今回はせっかくブータブルUSB作成ツールを使っていますし、ISOイメージで書き込みましょう。

※もしISOイメージモードで上手くいかなかった場合はDDイメージモードを試してみてください。

作業しているPCやUSBメモリの性能によっても変わると思いますが、だいたい数十分程度で完了します。

CentOS7と違い、Minimal ISOが無くなったので時間がかかるようになってますね……

ブータブルUSB作成完了後の画面
ブータブルUSB作成完了後の画面

完了しても完了したという表示は無いので間違ってもう一度実行しないように気をつけてください。

まとめ

今回はCentOS8のインストールの下準備としてブータブルUSBを作成しました。

RufusはCentOSに限らず様々なISOイメージからブータブルUSBを作成できるので、Ubuntuなど別のディストリビューションのブータブルUSBも同じように作成できるはずです。

これについては他のサイトを探してみてください。

次回はCentOS8のインストールに進みたいと思います。